呉西地区交通まちづくり市民会議

公開講座「古刹・湯のまち 鉄路につなごう」

 呉西地区交通まちづくり市民会議は9月11日、南砺の城端線を活かす会、井波モビリティ協議会、砺波庄川まちづくり協議会などと共催で、JR城端線のフィーダー交通を考える2022年度第2回交通まちづくり公開講座「古刹・湯のまち 鉄路につなごう ~井波・庄川地域から公共交通のあり方を考える」を、南砺市井波社会福祉センターで開催しました。

 1972年に砺波平野を東西に貫いていた私鉄・加越線が廃線となって以降、鉄道が通らなくなった井波・庄川地域は、代替バスの本数も減り、通勤・通学、買い物などが大変不便になっています。

加藤博和氏
       講演する加藤博和氏

 市民会議では、5月にJR城端線のフィーダー交通を考えるワークショップを開催。6月の第1回公開講座でもこの問題を取り上げ、第2回公開講座では地域公共交通プロデューサーとして活躍する名古屋大学大学院教授、加藤博和氏を招くこととしました。

 最初に井波モビリティ協議会の島田優平氏と、道の駅庄川駅長の東亮輔氏が、高校生を親が送迎せざるを得ないことや商店が次々と閉店しているなど、井波・庄川地域の交通や商工業の現状を説明しました。

 続いて加藤教授が「呉西地区の地域公共交通をいまこそ 『 再起動 』 しよう!~ 地域が公共交通を支えることで、公共交通が地域をつないでくれる」と題して講演。 利用者が少なかったバス路線を集約したうえで、他をデマンドなどに置き換え鉄道や幹線バス路線に接続して利便性を向上させた三重県菰野町や、市町村境を超えたネットワークを形成し、サービスレベル向上やブランド化を実現した南信州地域交通問題協議会などの事例を紹介しました。

 そのうえで、公共交通は「鉄道やLRTなど、クルマにまねのできない速達性と定時性を持つ『幹』と、一定のサービスレベルを備えたバスやデマンドなどの『枝』に集約し、広域的に連携させた『網』を作ることが重要」と強調しました。

ワークショップ
   活発に意見が交わされたパネルディスカッション

 聴講した住民ら70人を前に「地域交通問題は行政の関心が高まっている今が“旬”であり、住民自ら考えアイデアを出せる地域にとっては、予算獲得などのチャンス。しっかり頑張ってほしい」と訴えました。

  パネルディスカッションでは、東亮輔氏のほか、井波地域づくり協議会長の三谷直樹氏、砺波庄川まちづくり協議会の石森佑輝氏がパネリスト、島田優平氏がコーディネーター、加藤博和氏がアドバイザーを務め、地域の課題解決策などについて意見を交わしました。

 講座の模様はYouTubeでも配信され、会場と合わせて100人以上が聴講しました。

※クリックすると、資料(PDF)などがご覧になれます。動画閲覧は、Google Chrome 、Safariがお薦めです。

【井波・庄川地域の現状報告】 島田氏資料  【加藤教授講演】 プロフィールPPT資料

【パネルディスカッション】

【講座チラシ】 クリックすると、講座チラシ(PDF版)がダウンロードできます。